Fedora Core5による自宅サーバー構築とその備忘録 〜第5章〜 ここまでの感想と趣味のアプリケーション

 ここでは、サーバー機では入れませんが、クライアントのみの使用なら入れるというソフトと、気がついたこと、さらに設定の補足などを書いておきます。

まずはじめにおおまかな感想
 今回、サーバーとして設定するために色々なものを試していて改めて思いましたが、Linuxのソフトは本当に充実しています。ゲームなどの一部の分野を除いて、WindowsでできてLinuxでできないことって無いんじゃないでしょうか。ただ単にクライアントとして使うんならUbuntuSuseも面白いですし、選択肢が多いのはいいことだと思います。今回、事情があってFedoraを使いましたが、クライアントとしては実はかなりのディストリビューションをすでにVmwareで構築して保管しています。本気でサーバーとして構築しようとしたのはひさしぶりで、Fedoraを指定したのは仕事でFedoraをいじる必要が出たからです。趣味と実益を兼ねての挑戦でしたが本当に楽しかったです。

 また、書き忘れていましたが今回はDELLのInspiron8100(P3-866:mem512M:HD80GB:Geforce2Go:16M)をサーバーにしました。古めの機種のためかハードウェアの認識はすんなりいきました。最初の部分でこけるとダメージがでかいのでこの点は本当にありがたかったです。

Linuxの弱点
 むろん、いいところがあれば弱点もあります。現在のLinuxは、デフォルトのインストールで必要なものが大体入ってます。ただ、クライアントとして使う分には十分なんですがいざトラブルが起きたときやちょっと深いところをつつこうとするととたんにGUIの皮を脱ぎ捨ててCUIの本性が出てきます。私はCUIに抵抗が無い(むしろ結構好きなほうです)のでいいのですが、WindowsXPあたりからパソコンに入った人はかなりの抵抗があるようです。

 知人で「GUI?あんなのはガキのおもちゃだ」ということを言っていた人がいて強烈に印象に残っています。私はそこまでは思いませんが、それでもこの一言は本質を突いているとも思います。個人的にはWindowsユーザーにもっとCUIになれてほしいなとは思います。結局のところWindowsの場合はGUIのおまけにCUIがついていますが、Linuxの場合GUIこそがおまけであるということですかね。友人にも「Linuxってのはどう?軽い?」と聞かれたりしますがその手の質問をされるたびに果たしてすすめていいものかどうか本気で考え込んでしまいます。

 もう一つ、大きな弱点となっているのが周辺機器の対応です。最近は大手メーカーなどでもLinuxのドライバを出すようになってきましたが、まだまだだなというのが正直な感想です。私はCanonのLBP3200をネットワークプリンタとして使っていますが、これに関してはFedora Core4までの分しかドライバが出ておらず、しかも前提となるプログラムがFedora Core5では依存関係ではじかれてしまいます。私の力では手のうちようが無いです。Canonからも「現時点での対応は未定です」というメールが来ましたorz。

 USB PhoneなどもLinuxでは出ていません。ただ単にサウンドカードとしてならば認識するんですがWindowsでのUSB Phoneはドライバやユーティリティソフトとの連携で文字通り普通の電話と同様の使い勝手が実現できます。一度使うとヘッドセットには戻れません。Skypeを使う上であるとないとでは大きな差が出ますが、よくてMacに対応していればいいほうです。もっとも、Skypeの本体ソフトのほうもLinuxに関しては更新がろくに無いですし(SkypeのForumでは「Linuxはほったらかしかよ(超意訳です。本当は『もうLinux版の開発はやっていないのか』みたいな感じだったと記憶しています。)」というスレッドが立っているようです。)、なんともいえませんが。

サーバーにはインストールしなかったけど個人的にいいと思ったソフトウェア
 いろいろ試している中で面白いと思ったソフトを紹介しておきます。これは、サーバーとしては必要ないですがクライアントとして使うならば私ならいれる、というタイプのソフトです。

Grip・・・CD→mp3もしくはoggへの変換をするソフトです。日本語CDDB(http://freedbtest.dyndns.org:80/~cddb/cddb.cgi)を設定しておけば勝手に日本語のタグも入れてくれます。インストールは

% yum -y install grip

でできます。(要リポリトジ追加)

dvd::rip・・・DVDのリッピングおよびエンコードをしてくれるソフト。インストールは

% yum -y install perl-Video-DVDRip

でできます。(要リポリトジ追加)

JD for Linux・・・2ch専用ブラウザです。gtkmm24とglibmm24を事前にインストールしておく必要があります。JD for Linuxのページからダウンロードしてインストール。2chは、書き込みはしませんが調べものがあるときはよく見に行きます。

% yum -y install glibmm24
% yum -y install gtkmm24
% rpm -ivh jd-150_060601-FC5.rpm

リポリトジ追加が必要かどうかは不明です。

Kita・・・これも2ch専用ブラウザです。こちらはKDEの使用が前提になっています。Kitaのページから落としてインストール。

% rpm -ivh kita-0.177.3-1.i386.rpm

リポリトジ追加が必要かどうかは不明です。

FireFoxThunderbirdの拡張
 FireFoxThunderbirdのいい所は、Extensionをいれて同じ設定にすればOSに関わらず同一の物が再現できるという部分にあります。ここで、文字通り備忘録として自分の普段使っているExtensionを記しておきます。

FireFox
Gmail Notifier・・・ブラウザからGmailがチェックできます。
Linky・・・リンクをいっぺんに開くなどの操作を可能にする
Sage・・・Rssリーダー。ブログの更新チェック。
Tab Mix Plus・・・タブブラウザ機能の強化
User Agent Switcher・・・User AgentをごまかすことでIEでしか見られないページがFirefoxで見れるようになるかも。
VideoDownloader・・・YouTubeやGoogleViedoの動画をローカルに保存。

Thunderbird
Contacts Sidebar・・・アドレス帳をOutlookExpressのような形で表示
Web Mail・・・HotmailGmail等のウェブメールThunderbirdで受信できるようになる。
Allow HTML temporary・・・HTMLメールを必要な時のみ表示できるようにする拡張
Folderpane Tools・・・アカウントの順番並び替え
MagicSLR・・・全て受信、全て送信などのボタンを追加
Remove Duplicate Messages・・・重複メッセージの削除
Xpunge・・・全てのゴミ箱を一気に空にしたり、フォルダの最適化を行ってくれる。

アンチウィルスソフト
 Linuxでアンチウィルスソフトが必要かどうかは議論の分かれるとこだと思います。私のようにLAN内で限定した使いかたしかしていない場合はなおさらです。とはいえ、Windowsとは比較にならないものの、Linuxにも確かにウィルスは存在します。Windowsとの共有フォルダを使って増殖するようなケースもあるようですし、何もしないのもどうかと思いました。とりあえずどんなソフトが存在するかを調べ、一部は試してみました。これから書くのはその結果です。当然ですが、あくまで私の主観で書いてますので100%鵜呑みにしないほうがいいかも。

AVG Free for Linux
 AVGのフリー版です。コマンドラインGUI両方からのスキャンができます。いわゆる常駐機能などは入っていません。まあ、通常はこれで十分でしょう。

AVG 7.1 for Linux Workstation
 こちらは有料版です。2年で約40$と比較的お手ごろな値段です。常駐機能がついているので購入してみました。Free版についているGUIがこちらについていないのはなぜなんでしょうか・・・?英語のマニュアルにはダウンロードセクションでavgguiを落とせと書いてますが、どうやら存在しないようです。

Bitdefender
 CUIオンリー。フリー。ネット上での人気があるのか、これか次のClamAVを使っている方が多いようですね。まあ、わざわざLinuxを使ってさらにアンチウィルスソフトまで入れようという人ならCUIだろうが何とかするでしょう。コマンド自体は簡単なものです。

Clam AntiVirus
 基本的にはCUIですが有志によってGUIのフロントエンドが作成されているようです。こちらもかなり人気があるようです。

avast! Linux Home Edition
 シンプルなGUIがついていますがそのシンプルさゆえかわかりやすく、使いやすいです。GUIだけでウィルス定義ファイルの自動更新設定もできます。非常によくできていると思いました。

 通常はavgのフリー版かavast!で十分じゃないかと思います。常駐機能が本当に必要かどうかは微妙です。過剰投資だったかな?あくまでもウィルス検知力とかで比較したわけじゃなく個人的に使いやすいかどうか、またどう感じたかを書いただけです。cronを使って自動化してしまえばかえってCUIのほうが楽な側面もありますから、GUIにこだわりすぎるのもどうかとは思います。私自身はお金を払ったこともあってAVG 7.1 for Linux Workstationをcronで自動化して使ってます。

自動ログインの設定
 いきなりですが非推奨な設定です。vmwareなどの様に自分の文字通り手元のみで管理する場合には便利な設定ですが。デスクトップ→管理→ログイン画面→ユーザで、自動ログインする対象のユーザを追加。セキュリティで自動ログインを有効にするのチェックボックスにチェックを入れ、対象となるユーザーを選択。再起動後は指定したユーザーで自動ログインするようになります。

注意(免責)
 最後に、Fedora Core5に限らず、OSは全て生き物です。今日正解の方法が明日も正解であり続ける保障はどこにもありません。また、この項目についてはあくまで「自分のための覚え書き」として作ったものです。よって当サイトの各コンテンツ内容を保証する義務等は負いません。また、当方は、いかなる損害賠償等の法的責任は一切負いませんので、あらかじめご了承願います。