Fedora Core5による自宅サーバー構築とその備忘録 〜第1章〜 下準備

Fedora Core5のインストール
 インストールタイプは、最初に出てくるチェックボックスに3つともチェックを入れてインストールする方法を選びました。ある程度クライアントマシンとしての使用も想定した上での決定ですが、Linuxを使う上ではあくまでこれは邪道です。ntpで自動時刻合わせをするように設定、さらにサービス開始前に時刻を見に行くように設定しました。ntpサーバはntp0.ring.gr.jpを指定。更に一般ユーザーとしてtestuserを作成。通常の作業はこちらで行います。最初のログイン時にすべきなのはIPアドレスの設定とホスト名の変更。通常、デフォルトではlocalhost.localdomainがホスト名に設定されていますがこの名前はWindowsとの共有を行ううえでは不都合があります。とりあえずFC5に変更。設定はデスクトップ→管理→ネットワーク。IPアドレスについてはクライアントとしてのみ使うならDHCPから割り振られたものを使ったのでかまわないのですがサーバーとして色々使いたいのなら固定にしておいたほうがいいです。あと、作業中はスクリーンセーバーがうっとおしいので一時的にオフにします。デスクトップ→設定→スクリーンセーバーで設定。念のために再起動しておきます。

Fedora Core5のインストールについて補足
 ほとんどのものを最初からインストールするというやり方についてはかなり問題があると思っています。本来ならばGnomeとサーバー関係だけをインストールして必要最小限のパッケージだけを追加していくやり方のほうが正しいと思いますし、サーバならサーバーだけに徹するほうがいいと思います。とはいえある程度他にもできることがあったほうがいいし万が一現在の仕事用マシンに何かあったときに一時的にでも作業ができる環境を残しておきたかったのも事実です。あくまで備忘録として現在まで行ってきた作業をまとめておき、何かあったときにあちこちのサイトを探し回らずにすむようにというのが目的で作りました。

リポリトジの追加とyumの設定、ソフトのアップデート(必須)
 Fedoraには公式のリポリトジだけでは追加できないパッケージがあり、それらをyumで手軽にインストールできるようにするためリポリトジを追加します。また、色々な意味でインストール直後の状態のままではまずいのでまずは最初にアップデートできるものは全てアップデートしておきます。

 まずは、リポリトジ用のファイルを取ってきます。私自身はFRESHRPMSのリポリトジを追加していますが、他にもいくつかあるようです。ただし、リポリトジの中には他のものとバッティングを起こすものがあるらしく、複数のものを追加するときは注意が必要です。

% wget ftp://ftp.freshrpms.net/pub/freshrpms/fedora/linux/5/freshrpms-release/freshrpms-release-1.1-1.fc.noarch.rpm

 落としてきたファイルをインストール

% rpm -ivh freshrpms-release-1.1-1.fc.noarch.rpm

インストールが終わったファイルは削除しておけばいいです。
 次に、できるだけ早いミラーサイトを見つけて落としてくれるようにyumプラグインを落とします。

% yum -y install yum-fastestmirror

 起動時に自動でアップデートしてくれるプラグインを落とします。

% yum -y install yum-updateonboot

 上の2つをまとめてインストールする場合は

% yum -y install yum-fastestmirror yum-updateonboot

のようにまとめてやるやり方もあります。効率を考えたらこの方がいいかな。
 yumのアップデートが自動になるように有効化します

% chkconfig yum on
% chkconfig yum-updateonboot on

 確認

% chkconfig --list yum
% chkconfig --list yum-updateonboot

それぞれ、3、4、5がonになっていればいいです。
 アップデート

% yum -y update

あとはほっておけば自動的にアップデートします。

追加アプリケーション(個人的に使用)
yumでインストール可能なもの

thunderbird・・・メーラー
xcdroast・・・CD作成
xmms・・・mp3、cdプレイヤー
xine・・・マルチメディアプレーヤー
gtkpod・・・ipodとの連携
videolan-client・・・マルチメディアプレイヤー
mplayer・・・マルチメディアプレイヤー
gimp・・・画像処理
openoffice.org・・・オフィスソフト

これらのソフトはリポリトジ追加済みの状態なら

% yum -y install ソフト名

でインストールされます。ただし、マルチメディア関係のソフト(xmms、xine、videolan-client、mplayer)はこれだけでは全てはインストールされません。windowsなどでもcodecがないと色々な動画やサウンドが再生できませんがlinuxも同様です。ただ、どんなライブラリがあるかは完全に把握するのは私には正直難しいです。

% yum -y install xmms*

のように*をつけることでとりあえず一切合財まとめてインストールする(ただし、この方法では余分なものもインストールされます)か、

% yum install xmms*

オプションである-yをつけないことでインストール寸前でストップさせ表示されたものからあらためて選んでインストールするかどちらかだと思います。

 また、openoffice.orgに限っては利用するつもりがあるのなら最初の時点でインストールしておいた方がいいです。yumでインストールするにしてもそれぞれを単独で(Impress、Calc、Writerなど)ひとつずつインストールすることになりますし、もし*をつけてインストールすると他の国の言語パッケージなど余計なものが山ほどつきます。総ダウンロードサイズはなんと1Gにもなります。

その他の方法でインストール

Adobe Reader・・・pdf閲覧
Real Player・・・マルチメディアプレーヤー
Java JRE・・・Javaで書かれたソフトを実行するのに必要
Azureus・・・Bittorrentクライアント。FedoraにかぎらずLinuxのOSのisoイメージを落とすときにはこれを使うと楽。要Java JRE
Skype・・・IP電話。かなり便利。

Adobe Reader
 アドビのサイトからrpmを取得してインストール。もしlibstdc++.so.5が足りない場合はyumを使えばいいです。

% yum -y install libstdc++.so.5
% rpm -ivh AdobeReader_jpn-7.0.5-1.i386.rpm

Real Player
 Real PlayerのサイトからDownload RPM Packageを押してパッケージを取得。

% rpm -ivh RealPlayer10GOLD.rpm

でインストール完了。
Java JRE
 Javaのサイトに行きLinux RPM (自己解凍ファイル)をダウンロード。適当なディレクトリに保存し、

% chmod a+x jre-1_5_0_07-linux-i586-rpm.bin
% ./jre-1_5_0_07-linux-i586-rpm.bin

でインストールできます。
Azureus
 先にJava JREをインストールしておく必要があります。AzureusのサイトからLinux用のものをダウンロードし適当なディレクトリに保存。

% tar xvjf Azureus_2.4.0.2_linux.tar.bz2
% cd azureus
% ./azureus

で起動します。ランチャを作っておくと便利です。
Skype
 SkypeのサイトからRPM for Fedora Core 2をダウンロード。

% rpm -Uvh skype-1.2.0.18-fc3.i586.rpm

でインストール。こんなに便利なソフトなのに、何でみんな使わないんだろう・・・

 以上で個人的にインストールしてあるアプリケーションの紹介を終わります。ただ、これに関しては何度も書いたとおりサーバーとしては明らかに不要なものです。あくまで私のための個人的なメモと考えてください。

ブラウザのプラグイン
 Firefoxプラグインに関してはここにくわしくかいてあります。前提条件としてAdobe ReaderJava JREReal Playerはインストール済みであるものとします。

Adobe Reader

% cd /usr/lib/firefox-1.5.0.3/plugins
% ln -s /usr/local/Adobe/Acrobat7.0/Browser/intellinux/nppdf.so
% PATH="$PATH":/usr/local/Adobe/Acrobat7.0/bin/acroread

Java

% cd /usr/lib/firefox-1.5.0.3/plugins
% ln -s /usr/java/jre1.5.0_07/plugin/i386/ns7/libjavaplugin_oji.so

RealPlayer

% cd /usr/lib/firefox-1.5.0.3/plugins
% ln -s /usr/local/RealPlayer/mozilla/nphelix.so
% cd /usr/lib/firefox-1.5.0.3/components
% ln -s /usr/local/RealPlayer/mozilla/nphelix.xpt
% PATH="$PATH":/usr/local/RealPlayer/realplay

上記3つのプラグインはリンク先のドキュメントどおりにやればいいので簡単なんですが厄介なのがFlashプラグインです。Fedora Core5ではまともなやり方では入らないようで色々検索した結果ここにかいてあったやり方でうまくいったので書いておきます。

Flash
/etc/yum.repos.d/thirds.repoというファイルを作って次の内容を書く

[flash]
name=macromedia.mplug.org - Flash Plugin
baseurl=http://macromedia.mplug.org/rpm
http://sluglug.ucsc.edu/macromedia/rpm
http://ruslug.rutgers.edu/macromedia/rpm
http://macromedia.rediris.es/rpm
enabled=0
gpgcheck=1
gpgkey=http://macromedia.mplug.org/FEDORA-GPG-KEY

インストールのためのコマンドは次の通りです。

% yum --enablerepo flash install flash-plugin

なお、デスクトップ→設定→サウンドのソフトウェアによるサウンド・ミキシングを有効にするにチェックを入れておく必要があります。

 これでブラウザのプラグインの設定は終わりです。他のものはともかく、Flashについてはもう少し楽にインストールできるといいんですけどね。

謝辞
Fedora Core 5 インストール個人的ノート
Fedora JP 掲示板
 自分自身がここに書いた部分を設定するときに参考にしたのはこの2つのサイトです。Flashプラグイン設定にてこずっていたときに見つけました。本当に助かりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。この項目の内容はこの2つのサイトの情報を元に自分が設定した内容に合わせて再構成したものです。

注意(免責)
 最後に、Fedora Core5に限らず、OSは全て生き物です。今日正解の方法が明日も正解であり続ける保障はどこにもありません。また、この項目についてはあくまで「自分のための覚え書き」として作ったものです。よって当サイトの各コンテンツ内容を保証する義務等は負いません。また、当方は、いかなる損害賠償等の法的責任は一切負いませんので、あらかじめご了承願います。