Fedora Core 6へのアップグレード

 Fedora Core 6が出て数日がたちました。ようやく時間が確保できましたので5→6のアップデートにチャレンジしてみます。

 昨日(2006.10.28)の夜の時点で始めましたが予想以上の長期戦になりました。経過を含めて書いていきます。

1.アップグレードの方法

 5→6にするには色々やり方があります。まずは一回まっさらに戻してクリーンインストールする方法。一番確実ですしトラブルも出にくいのですがアプリケーションのインストールや細かい設定は1からし直す必要があります。また、データを一時的に退避させる必要があります。もう一つはyumを使用してオンラインでアップデートを行うやり方です。常時接続、高速回線が必須で時間もかかりますが設定は引き継げます。ただ、何かトラブルが出た場合原因がわかりにくくなる点と設定その他を100%きちんと引き継いだ上でそれがうまく動くかは保障がありません。今回はせっかくですので後者のやり方をとることにしました。また、Fedora Core 6のCDまたはDVDをダウンロードしてそれを使用してアップデートする方法もあるようですが今回は試しませんでした。理由としてはサービスをとめずにアップデートする方法を試しておきたかったからです。手の空いた時間でDVDも落として焼いておきました。

2.大まかな流れ

 国内の適当なミラーサイトからfedora-release-6-4.noarch.rpmfedora-release-notes-6-3.noarch.rpmをダウンロード。適当な場所に保存します。rootになって

% rpm -Uvh fedora-release-6-4.noarch.rpm fedora-release-notes-6-3.noarch.rpm
% yum clean all
% yum -y upgrade

 これでアップグレードは終了。再起動した上で念のために

% yum -y update

 をかけておけばいいでしょう。大まかな流れはこの通りなのですが実際にはスムーズにいかない可能性もあります。インストールしているアプリケーションによっては依存関係のエラーがでる場合があります。実際私のケースでも途中でエラーメッセージが出て作業がストップしていました。実際の経過は次の項に書きます。

3.実際の経過

 コマンドを打つと、すごい勢いでチェックメッセージが流れていきます。見た感じでは「総とっかえ」に近いものがあります。まだ、サーバーにつないでいる人が多いのかちょっとやそっとでは作業が進みそうにないのでニュースを見たり他の作業をしていました。ふと気がついて画面を見てみるとエラーが出て止まっています。libsepol-1.12.27-1が足りないようです。このパッケージは既に新しいバージョンが入ってしまっているため通常のrpmコマンドではなくダウングレードのコマンドを打つ必要があります。国内のサーバーから探してきて

% rpm -Uvh --oldpackage libsepol-1.12.27-1.i386.rpm

 でインストールしようとすると今度はrtld(GNU_HASH)が足りないようです。googleで検索をかけるとlibquicktime-develを入れるといいようです。もしかしたらそのものずばりのパッケージがあるのかもしれませんが眠気もあり他をあたることなど考えもしませんでした。昼間にやればこの点は防げたと思いますので反省点です。

% yum -y install libquicktime-devel
% rpm -Uvh --oldpackage libsepol-1.12.27-1.i386.rpm
% yum -y upgrade

 少し様子を見ているとeclipse-pydevが依存関係でエラーを起こしています。使っていなかったので削除してからもう一回アップグレードをかけます。

% yum remove eclipse-pydev
% yum -y upgrade

 私の場合はこの2つのエラーだけですみましたのが、インストールしてあるパッケージによってはもっとエラーが出る可能性もあります。ダウンロードが始まりだすまでは時々止まっていないかチェックしておいた方がいいかもしれません。私は眠気に耐え切れずチェックの途中で寝てしまいました。

 朝起きてみるとまだダウンロードが続いています。途中でエラーで止まってなかったのはよかったんですがその数なんと1257個。すごい数です。この時点で作業開始から12時間たっているのにまだ終わっていません。ここのところ回線のスピードが不安定であることを割り引いてもまさかここまで時間がかかるとは思いませんでした。FreeBSDなどもそうですがダウンロードしてインストールするタイプのOSは高速回線と時間がないときついなと痛感しました。結局ダウンロードとインストールには丸々24時間ほどかかりました。文字通りの意味で「一日仕事」になってしまいました。

4.検証

 特に目立ったエラーもなくアップグレードは完了しました。再起動してサービスがちゃんと立ち上がるかを確認。一部でHALが立ち上がらないという報告があったのでちょっと心配でしたがエラーもありませんでした。念のためyumでアップデートをかけますが、特にアップデートが必要なアプリケーションはなかったようです。iTunesサーバ(mt-daapd)、ブログ(httpd)、ファイルサーバ(samba)ともに何の問題もなく動作しています。拍子抜けするほどあっさりと完了したというのが感想ですかね。

5.おまけ

 VMwareの方でDVDによるアップグレードを実験中です。現在、残り時間が300分以上orz・・・これも、後でまとめて書くつもりです。