Fedora7の本
Fedoraはリリースのサイクルが早く、下手をすると本が出た時には次のバージョンがリリースされてたりしかねない部分があります。早めにリリースされたこの2冊を購入して読んでみました。
まず、1冊目はこの本です。Fedora Core 5の時に買って気に入っていたため再度の購入になります。非常にわかりやすく、一般の人間がFedoraを使用して作るサーバはあらかたカバーしています。(唯一抜けているのがメディア関連のサーバでしょうか。)良くも悪くもサーバ構築に特化していて「手順通りにやればとりあえずサーバができる」という本です。
いい点として
●わかりやすい書き方
●メールサーバなどでOutbount Port 25 Blockingの存在を前提とし対策をきちんと書いてある
●ウィルス対策など省かれがちの部分がかいてある
気になった点としては
●とっつきやすくするためかコマンドで済む部分までGUI前提の説明になっている
●あと少し深い部分の設定まで解説があれば言うことないのにな・・・という部分がいくつかある
どのレベルの読者を想定しているかという部分にもかかわってくるので仕方のない部分はありますが、FedoraのGUI部分にいまいち信頼のおけない部分がある以上コマンドでやる部分GUIで設定する部分とを使い分けた方がいいような気がします。しかし、値段分の価値は十分にある本だと思います。
2冊目はこの本です。「できる」という名の通りある程度初心者向けの作りになっているようです。そのため、ある程度使い慣れた人間が購入した場合は冗長に感じるかもしれません。
いい点としては
●iTuneサーバの構築がある
●設定のバックアップや戻し方など「実際にトラブルが起きた場合」を想定した記述がある
●ハードディスクの増設などの記述がある
●Fedoraを削除した後のWindowsへの戻し方などトラブルシューティングが充実
気になった点としては
●SELinuxを切る前提になっている
●前の本と逆でGUIでやった方がわかりやすい部分でもコマンドを使用している
●固定IPを前提とした構築に比重がおかれている感じがある
矛盾するようですが、Fedoraの場合はGUIでやった方がやりやすい部分とコマンドで済ました方が早い部分が存在します。要は使い分けなんですが、こちらの本はコマンドの方に偏っている感じがあります。
SELinuxについてですが、おそらくSELinuxの不具合を避けるためでしょうが、無条件でOFFという考え方は賛成できません。確かにSELinuxはこなれてないし、設定は面倒だしわかりづらい(おまけにFedora7ではGUIの部分がなにかおかしいです)ですが、ことセキュリティに関するものを完全にストップしてしまうのはどうかと思います。
あと、固定IPに比重を置くのもどうかと思います。この本を読む層がはたして追加料金を払ってまで固定IPを取得するのかどうか・・・上の本のように思い切ってダイナミックDNSに特化した方がわかりやすくなると思います。その点を除けばバックアップや増設、トラブルシューティングなど「いかにもありそうなシチュエーション」をカバーしている点などいい部分もあります。1冊目の本としてならありだとは思います。
他に、Fedora7の本としてはMYCOMのビギナーズバイブルを購入する予定でいます。こちらの方も出版され次第購入して読んでみるつもりです。